音楽好きで、多くの他言語を話されたベネディクト16世の後だけに、教皇フランシスコが歌ミサをなさらず、公の場で英語すら話されないことを、ジャーナリストたちは気にしていたようです。
「歌う体力がないのでしょうか?」「何かご病気なのでしょうか?」
2013年3月14日にシスティーナ礼拝堂で捧げた教皇として初めて捧げたミサは、歌ミサではありませんでした。イタリアでは公休日である復活の月曜日(2013年4月1日)の「お告げの祈り」の際には、「レジナ・チェリ」を節を付けずに、唱えられました。
また、公的な場で話される場合は、すべてイタリア語で通しておられます。
教皇庁広報官ロンバルディ神父は、イエズス会士についての諺「イエズス会士が有名なこと。聖歌と典礼規定の細目に不熱心。」をひいて、パパ様はそういうイエズス会士の特徴を継いでおられるのでは、と冗談を返しました。
続けて、ロンバルディ神父は、健康上の問題はまったくないと話しました。パパ様が気にされているのは、「しわがれ声、かすれたハスキーな声」になってしまうことなのです。パパ様とても上手に、効果的に読み上げられますが、「教皇ヨハネ・パウロ2世の声、朗々と響く俳優の声ではない」のです。
2010年に出版されたインタビュー本『El Jesuita』(「イエズス会士」)において、パパ様は外国語について謙虚な言葉で語られています。
「イタリア語は完全に流暢に話せます。フランス語はかなり、ドイツ語はなんとか話せます。しかし上達するための練習ができていません。」「一番大きな問題は英語です。発音がとても難しいのです。私は音痴なので。」
イタリア語以外の言語を公の場で話すにはまだためらいがあるようです。
3月31日の復活祭メッセージにおいて、先の2代の教皇様は沢山の言語で復活の挨拶を送られていましたが、教皇フランシスコはイタリア語だけでした。母国語であるスペイン語すら使われませんでした。
「話す言語と話さない言語が出てしまうことで、ひいきしているように見えてしまわないように、と考えておられることは明らかです。」と、ロンバルディ神父は説明しました。「バチカンの担当者が各言語で要約を述べているので、ご自身が複数の言語で話す必要があるとは全然思っておられないのでしょう。」
(参考記事: Can’t chant, can’t speak English? Pope says it’s because he’s tone-deaf )
= 訂正情報(2013/04/05 21:55) =
インタビュー本『El Jesuita』の出版年に誤りがありました。お詫びして訂正致します。
誤)2000年 → 正)2010年
(本文は既に訂正済みです。)