133名の枢機卿が2025年5月7日に始まったコンクラーベは、2日目5月8日午後6時過ぎ(日本時間5月8日午前1時過ぎ)、終わりました。
システィーナ礼拝堂の煙突から「白い煙」が上がったのです! 4回目の投票で、新教皇が選出されました!
サン・ピエトロ大聖堂の中央バルコニーから、枢機卿長補佐マンベルティ枢機卿が、伝統的な式文に則って「Annuntio vobis gaudium magnum: Habemus Papam!(大きな喜びを告げます。教皇を得ました!)」と宣言し、新教皇の選出とその名前を発表されました。
第267代ローマ教皇・レオ14世(ロバート・フランシス・プレボスト[聖アウグスチノ修道会])です。
フランシスコ教皇様は「アメリカ大陸初」の教皇でしたが、レオ14世教皇様は「アメリカ合衆国初」の教皇となります。
また、聖アウグスチノ修道会初の教皇でもあります。
現在69歳。今年2025年9月に70歳の誕生日を迎えられます。
■ 経歴
レオ14世教皇となったロバート・フランシス・プレボストは、1955年9月14日、アメリカはイリノイ州シカゴに生まれました。
父親はフランスとイタリアの血を引くルイ・マリウス・プレボスト。母親はスペインの血を引くミルドレッド・マルティネス。ほかに2人の兄弟がいます。
聖アウグスチノ会の小さな神学校に通った後、ペンシルベニア州のヴィラノバ大学に進学し、1977年に数学の学士号を取得、哲学も学びました。
1977年9月1日、シカゴの聖アウグスチノ修道会修練院に入ります。
1978年9月2日に初誓願を、1981年8月29日に終生誓願を立てました。
27歳のとき、ローマの聖トマス・アクィナス教皇庁大学(通称・アンジェリクム)で教会法を学びます。
そのローマで、1982年6月19日に司祭に叙階されました。
1984年に神学修士号を取得。
1985年から1986年にかけて、ペルーの聖アウグスチノ修道会宣教団の一員として派遣される。
1987年には博士号を取得し、アメリカのイリノイ州オリンピア・フィールズ(米国)にある「良き助言の母」聖アウグスチノ会管区の召命担当主任および宣教担当主任に任命されました。
1988年から1999年まで、ペルーで宣教師として働きました。
その間、修道院長、養成責任者、信徒の指導者、トルヒーリョ大司教区司法代理、大神学校「サン・カルロス・イ・サン・マルセロ」の教会法・教父学・道徳神学の教授を務めます。
また、郊外の貧しい地区(のちに聖リタ小教区として設立)の司牧を任せられたほか、モンセラートの聖母小教区の管理者も務めました。
1999年、シカゴの聖アウグスチノ修道会「良き助言の母」管区の管区長に選出。2年半後には、聖アウグスチノ修道会総長に選出、2013年9月まで2期約12年間その任を果たしました。
2013年10月にシカゴの聖アウグスチノ修道会に戻りますが、2014年11月3日にフランシスコ教皇によってペルー・チクラヨ教区の使徒的管理者、および同時にスファルの名義司教に任命。
2014年11月7日、彼は教区に異動、12月12日(グアダルーペの聖母の祝日)に司教に叙階されました。
2015年9月26日、ペルー・チクラヨ司教に任命。
2018年3月、ペルー司教会議の第二副議長に選出され、同会議の経済評議会メンバーおよび文化教育委員会の委員長も務めた。
2019年バチカン聖職者省、2020年司教省のメンバーを歴任。
また、2020年4月15日には、ペルー・カヤオ教区の使徒的管理者にも任命されました。
2023年1月30日、バチカン司教省長官および司教省ラテン・アメリカ委員会の委員長として招聘され、大司教に。
2024年、フランシスコ教皇から枢機卿に叙階されました。
■ Urbi et Orbi(ローマから全世界へ:教皇祝福)
レオ14世教皇様の第1声は、イタリア語でなされました。「 La pace sia con tutti voi! 」(平和があなたがた皆にありますように!)
以下は、レオ14世教皇様最初の教皇祝福である「Urbi et Orbi(ウルビ・エト・オルビ:ローマから全世界へ)」の概略です。
「『平和があなたがた皆にありますように!』
これは神の羊の群れのために命を捧げた善き羊飼い、復活されたキリストの最初の挨拶です。この平和の挨拶が皆さんの心に入り、皆さんの家族、あらゆる場所に住むすべての人々、あらゆる民族、そして地球全体に届くことを願います。平安があなたがたとともにありますように!
これは復活されたキリストの平和、武装解除された平和、謙虚で、忍耐強い平和です。それは神からのものです。神は私たち全員を無条件に愛しておられます。ローマを祝福するフランシスコ教皇様の弱々しくも勇敢な声が、今も私たちの耳に残っています。
ローマを祝福されたフランシスコ教皇様は、その復活祭の朝、世界、全世界に祝福を与えました。同じ祝福を続けさせて下さい。神は私たちを愛し、神は皆さんを愛しています。悪は勝利しません! 我々は皆、神の手の中にいます。ですから、恐れることなく、神と、そして互いに手を取り合って、前進していきましょう。
私たちも互いに、対話や会合を通して橋を架け、全員が団結して常に平和な一つの国民となるよう助け合いましょう。フランシスコ教皇に感謝します!
また、私をペトロの後継者に選んでくださり、…皆さんと共に歩むようして下さった、兄弟であるすべての枢機卿に感謝したいと思います。
私は聖アウグスティヌスの息子であり、聖アウグスチノ修道会の者です。聖アウグスティヌスはこう言いました。『私はあなたと同様キリスト教徒であり、あなたの為の司教です。』そういう意味で、私たちは皆、神が用意して下さった故郷に向かって一緒に歩むことができるのです。
ローマ教会に特別な挨拶を! 私たちは、どのようにすれば宣教的な教会になれるのか、…共に模索しなければなりません。私たちの愛を必要としているすべての人々に対して。」
「(スペイン語で)
ペルーのチクラヨ教区の信徒にご挨拶申し上げます。そこでは、信仰深い人々が、司教に付き添い、信仰を分かち合い、イエス・キリストの忠実な教会であり続けるために、非常に多くのものを捧げてきました。」
「(イタリア語で)
ローマ、イタリア、そして全世界の兄弟姉妹の皆さん、私たちはシノドスな教会、歩む教会、常に平和を求め、常にいつくしみを求め、特に苦しむ人々に寄り添おうと努める教会になりたいと願っています。
今日(5月8日)はポンペイのロザリオの聖母の祝日です。聖母マリアは常に私たちと共に歩み、寄り添い、その執り成しと愛で私たちを助けたいと願っておられます。
皆さんと一緒に祈りたいと思います。この新しい使命のため、教会全体のため、世界の平和のために共に祈り、私たちの母であるマリアからのこの特別な恵みを求めましょう。(会衆と共に「アヴェ・マリアの祈り」を唱える)」
最後に会衆と全世界に向けて、レオ14世教皇様は祝福を送り、最初の挨拶を終えられました。
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新たな教皇様、レオ14世教皇様のこれからのお働きのためにお祈り致します!
= 参考記事 =
・ Leone XIV è il nuovo Papa: pace per il mondo, disarmata e umile [Vatican News]
・ Robert Francis Prevost, ecco la biografia del nuovo Papa [Vatican News]
・ Biography of Robert Francis Prevost, Pope Leo XIV [Vatican News]