教皇ベネディクト16世の退位に関する23の質疑応答


ロンバルディ神父

【ローマ。2013年2月20日(Zenit.org)】教皇ベネディクト16世の退位は、カトリック世界以外にも、もっともな疑問を引き起こしました。
バチカンの広報官フェデリコ・ロンバルディ神父は、2月12日から15日にかけて何度も記者会見を開きました。その際、様々な記者との質疑応答がありました。その中で世間で最も興味を持たれていると思われる問題について23の質疑を簡単に紹介したいと思います。

 ここに載せる質問と答えは、ロンバルディ神父の答えを元にまとめられたもので原文そのままというわけではありません。

尾崎神父様(オプス・デイ)の翻訳でお届けします。

(Zenitの記事はこちらです http://www.zenit.org/en/articles/some-faq-s-on-the-pope-s-resignation
http://actualidadyanalisis.blogspot.comhttps://twitter.com/mujicaje も参照しました)


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1.教皇ベネディクト16世が教皇として最後に公の場に現れるのはいつですか?

答え: 教皇ベネディクト16世の最後の公式謁見は、2月27日(水)にサン・ピエトロ広場で行われる一般謁見になるでしょう。例外的にこの一般謁見は御言葉の典礼と祈りの時を持つことになります。翌日、28日(木)には、教皇庁のクレメンスの間で数人の枢機卿との私的謁見が行われます。それが教皇としての最後の謁見となるでしょう。

2.教皇ベネディクト16世には特別の病気があるのですか?

答え: いいえ。特別な病気はありません。

3.教皇ベネディクト16世がペースメーカーを付けておられるのは本当ですか?

答え: 本当です。すでに教理省の長官時代から付けておられます。数週間前にペースメーカーのバッテリーを入れ替えています。

4.教皇ベネディクト16世が執筆中であった信仰に関する回勅は出版されるのですか?

答え: いいえ。回勅は、教皇ベネディクト16世が書き終えることができず、出版されないこととなりました。万一その文書を出版すると決められたとしても、「回勅」とはなりません。

5.どうして教皇ベネディクト16世は教皇としての役務を終える時期として2月28日の午後8時を選ばれたのですか?

答え: 午後8時が普段仕事を終えられる時間だからです。

6.教皇職を退いてから、教皇ベネディクト16世はどこに住まわれるのですか?

答え: はじめは二ヶ月間ほどカステル・ガンドルフォの教皇の住居で過ごされます。その後、バチカンに戻って、禁域の観想修道院マーテル・エクレシエにお住まいになります。

7.教皇ベネディクト16世がメキシコへの使徒的訪問中に退位を決意されたとは本当ですか?

答え: メキシコとキューバへの訪問中に教皇ベネディクト16世はこの決意に至りました。その決意は、長い間続いた思索の仕上げともいうものです。とはいえ、この訪問中にこの問題に関して何か特別の出来事があったわけではありません。

8.2月28日以降、教皇ベネディクト16世のお名前と称号はどうなるのですか?

答え: これはまだ思案中の問題です。どうもベネディクト16世という名前をそのまま続けるというのが大方の意見のようです。教皇庁年報では、「ベネディクト16世」は公式の名前として使われ続けます。

9.教皇ベネディクト16世はコンクラーベに参加されますか?

答え: いいえ。また枢機卿団にも属されません。

10.2月28日以降、教皇ベネディクト16世の服装はどうなりますか?

答え: まだ決まっていません。

11.教皇の退位は教会では想定されていたのですか?

答え: はい。教皇の退位は教会法上で想定され、規定されています。

12.教皇ベネディクト16世の特別秘書で最近教皇公邸管理部の長官になられたゲオルク・ゲンスヴァイン大司教はどうなるのですか?

ゲオルク・ゲンスヴァイン大司教答え: ゲオルク・ゲンスヴァイン大司教は教皇ベネディクト16世の秘書を辞めることなく、カステル・ガンドルフォに(その後マーテル・エクレシエ修道院にも)付き添われ、教皇公邸管理部の長官の職も続けられます。同様に第2秘書もカステル・ガンドルフォに移り、しばらくは教皇ベネディクト16世に付き添われます。

13.バチカンのマーテル・エクレシエ修道院で教皇ベネディクト16世のお世話に当たるのは誰ですか?

答え: 教皇の身の回りの世話をするシスターたちと特別秘書ゲオルク・ゲンスヴァイン大司教です。

14.極秘資料が外に漏れた事件は教皇退任の決意と関係ないのですか?

答え: ありません。正確な情報を望まれるなら、教皇がご自分の退位について言われたこと以外を憶測しないことでしょう。

15.コンクラーベ(教皇選挙)はだいたいいつ頃始まるのですか?

答え: 最もありそうな日付けは3月15日から20日の間に開幕するというものです。

16.教皇ベネディクト16世は最近コンクラーベの方法を変えられたのですか?

答え: いいえ。しかし、2007年に教皇ベネディクト16世は選挙方法について小さな変更を加えられました。2007年の変更によって、コンクラーベでなされる選挙では常に3分の2の票が必要と決められました。しかし、それ以外の規定は今も使徒憲章『ウニヴェルジ・ドミニチ・グレジス――使徒座空位と教皇選挙(1996年2月22日)』( Universi Dominici Gregis )の規定が有効です。

17.教皇様がなさった行為を表すのに正しい用語は何ですか?

答え: "Renuncia" が最も適切でしょう。"Dimisión" はその効果を発揮するためには辞意を受け取る人を前提とされますが、教皇様の場合はそれがありません。"Abdicación" は君主の場合に使う言葉と考えます。

18.バチカン内部に権力闘争があるのですか?

答え: あらゆる組織は異なる意見のぶつかり合いを生じる力を持っていますが、それは組織の豊かさの現れです。意見の相違や多様性は、組織自身のためになるなら建設的なものです。しかしながら、その意見の相違を誇張するなら、バチカンの現実も人びとの意向も正しく反映しないことになります。今の教会に権力闘争があるというのは現実を表していません。

19.ジャーナリストのペーター・ゼーバルト氏は退任発表の前に教皇ベネディクト16世と面会したのですか?

答え: ペーター・ゼーバルト氏は、過去にヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿時代も教皇ベネディクト16世となられてからも何度も会見したことがありますが、確かに2ヶ月半ほど前に教皇様と会っています。その会見については、ゼーバルト氏が執筆中の教皇ベネディクト16世の公式な伝記に語られています。

20.教皇ベネディクト16世は新しい教皇とお会いになりますか?

答え: 教皇ベネディクト16世が新教皇とお会いになるという予定はありません。

21.なぜ教皇ベネディクト16世は、故郷のバイエルンに帰る代わりに、バチカンの修道院に住むと決められたのですか?

答え: 教皇ベネディクト16世はこの点についてはっきりとは仰っていませんが、バチカンにおける教皇ベネディクト16世の存在と祈りは教皇庁に霊的な連続性を与えます。いずれにしても、教皇ベネディクト16世がバチカンに住み始められてもう30年以上経っています。

22.教皇ベネディクト16世が言われた退位の正確な理由は何ですか?

答え: 2月11日に教皇ベネディクト16世ははっきりとこう仰いました。「私は、高齢のためもうペトロの奉仕職を果たすのに十分な力がないという確信に至りました」と。そして、教会を統治し、福音を宣べ伝えるために「精神的な活力だけでなく肉体的な力も必要である。それらが、私に任せられた奉仕職をふさわしく遂行できないと認めざるを得なくなったほど、ここ数ヶ月で私の中で衰えた」と説明されました。

23.2013年2月28日までの教皇ベネディクト16世の仕事の予定はどうですか?

答え: 以下のとおりとなります。

  • 2月23日:黙想会(霊操)を終了
  • 2月24日:サン・ピエトロ広場での人びととの最後の「お告げの祈り」
  • 2月25日:数人の枢機卿との私的な謁見
  • 2月27日:教皇ベネディクト16世の最後の一般謁見
  • 2月28日:午前11時、バチカンのクレメンスの間で枢機卿たちへの挨拶。午後5時、カステル・ガンドルフォに引っ越し。午後8時、教皇空位が始まる。


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