世界各地にマリア様の出現地があります。では聖ヨセフ様のご出現は?
ご出現自体は、これまでありました。ポルトガルのファティマやアイルランドのノックでは、マリア様と共に出現されました。しかし、聖書の中同様、ひと言も言葉を発されることはありませんでした。
ヨセフ様が話をなさったご出現は、これまで1つしかありません。これはそのご出現についてのご紹介です。
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フランス南部プロヴァンス地方のヴァール県コティニャックは、フランスで最初に福音宣教が始まった土地といわれ、4世紀末には最初の修道院が建設されました。
それは、1660年6月7日、コティニャック近郊にあるベシヨン山でのことでした。
若い羊飼いのガスパール・リカールは猛暑の中、羊を放牧していました。ひどい喉の渇きで疲れ果てたガスパールは、燃えるように熱い地面に横たわりました。すると突然、堂々とした体格の男が彼のそばに立って、岩を指差しながら言われました。
『私はヨセフです。岩をどけて、飲ませてください。』
岩はとてつもなく重そうで、ガスパールは冗談だろうと思いました。しかし、聖ヨセフは同じ言葉を繰り返されます。
仕方なく命令に従って岩に手をかけると、なんと岩は難なく動き、岩のずれた所から真水が湧き出したことに気がつきました。彼は貪るように水を飲み、立ち上がったときには、もうそこには自分一人しかいませんでした。
湧き水は、泉となりました。
後に、その岩をその場所から完全にどかした際には、岩はあまりに重く、男性8人がかりでようやく動かすことができたほどでした。
「(おっしゃったのは)その一言だけです。福音書にあるように、聖ヨセフは寡黙な方なのです。このご出現ほど単純で謙遜なものはありません。
私の知る限り、教会の歴史上、聖母マリアが自らのために確保しておいた土地に(1519年に近くのヴェルダイユ山の木こりに聖母が出現された)、このように聖ヨセフがご出現されるというのは、これが唯一の事例です。」
(1971年2月1日付け、フレジュス=トゥーロン教区司教ジル・アンリ・アレクシス・バルト師[1906-1993]の司牧書簡より)
ガスパールはこの出来事が本物だろうかなどと一切疑うことなく、コティニャックの住民たちも全く疑いませんでした。
この出来事は驚くほどの速さで広まり、遠近問わずあらゆる所から、あらゆる種類の病人が泉に巡礼にやって来ては、病気が治ったり、心が癒されたりして帰ってゆきました。
ご出現記念礼拝堂は、すぐさま大きな聖堂となり、1663年さらに大きな聖堂が建てられ、恵みの聖母のオラトリオ会が管轄することとなりました。
聖堂はフランス革命期など混乱の中で廃れた時もありましたが、聖ベネディクト会の修道院「ベシヨンの聖ヨセフ修道院」として再び活気を取り戻します。
1990年3月19日以降、マーテル・デイ修道女会の「おとめマリアの浄配聖ヨセフ共同体」が、その霊性と事業を引き継いで管理を続けています。
聖堂の正面には、次のイザヤ書の聖句がラテン語で掲げられています。
「喜びのうちに、救いの泉から水を汲む。」
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- 修道院教会入口
- ベシヨンの聖ヨセフ修道院 全景
- 聖ヨセフ像とキャンドル
- 聖ヨセフ像と記念碑
(記念碑の下に、湧き出た水を引いた蛇口がある)
※ マーテル・デイ修道女会の「おとめマリアの浄配聖ヨセフ共同体」の許可を得て、ベシヨンの聖ヨセフ修道院WEBサイト記事を参考に翻訳し、ご紹介致しました。
マーテル・デイ修道女会の皆様に感謝致します。
= 参考サイト =
・ ベシヨンの聖ヨセフ修道院 [フランス語]
= 関連聖品(いつくしみセンターWEBショップより) =