2013年3月12日からコンクラーベ 【追加情報あり】


システィーナ礼拝堂

枢機卿団のうち、イタリア勢は「早くやろう」と言い、他の人は「いやいや、ゆっくりやろうよ。もうちょっとお互い知り合ってから」と言っているという話も漏れ伝わっていたコンクラーベですが、3月12日(火)から始まることに決まりました。

選挙権を持つ115名の枢機卿方による教皇選挙がいよいよ行われます(1名が病気により欠席、1名が私的理由により欠席)。

巷では、誰が選ばれるのかという勝手な予想も出回っているようですが、神様がこの時代に適した人を選んで下さることでしょう。

神様の御旨が枢機卿団の上に行われますように祈りつつ、コンクラーベの手順などを確認したいと思います。

※ 写真は、上から見た「システィーナ礼拝堂」。 © Maus-Trauden / Wikimedia Commons
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【コンクラーベの手順は?】

[第1段階]
3月12日10時(イタリア時間)、サン・ピエトロ大聖堂 枢機卿団全員による荘厳ミサ「Pro eligendo Summo Pontifice」(教皇選出のためのミサ)を捧げます。

同日午後4時半、枢機卿団全員が十字架を先頭にシスティーナ礼拝堂に入堂。この時、夕の祈りを唱え、東西の聖人の連願(連祷)を歌い、答唱として「主よ、われらを救い給え」と祈る形となります。
全員が席に着くと『Veni, Creator Spiritus.』(来たれ、創造者の霊よ)を歌います。

午後5時頃、初期教父学専門家であるマルタのプロスペル・グレヒ引退枢機卿(87歳)による黙想指導。
宣誓後、選挙権を持つ枢機卿と選挙の補佐スタッフ以外の全員が礼拝堂から退出。コンクラーベ初日は、午後に1回のみ投票を行います。

コンクラーベ2日目(3月13日)以降は、午前と午後に2回ずつ投票を行い。3分の2を票を得た候補者が出るまで最大3日間続けます。
3日間これを続けても決まらない場合には、投票はいったん中止。最大で1日して、祈りと黙想、霊的省察を行った後、再度投票作業を続けることとなります。

[第2段階]
その後の7回の投票で決まらなければ、また1日の休み(祈り、考察、対話の期間)をおいた後、3日間投票をします。

[第3段階]
それでも決まらなければ、また1日の休み(祈り、考察、対話の期間)をおいた後、3日間投票をします。

[第4段階]
やはりそれでも決まらなければ、1日の休み(祈り、考察、対話の期間)をおいてから、前回の投票における上位2名の得票者について、決選投票を行います。この時上位2名となった候補者は投票しません。


投票数の3分の2を得た候補者が教皇となることに同意すると、コンクラーベは終了
です。

これまで諸宗教対話評議会の議長職を務めてきたジャン=ルイ・トーラン枢機卿が、サン・ピエトロ大聖堂の中央バルコニーから新教皇を発表した後、教皇服を身に着けた新教皇がバルコニーに姿を現し、公式に挨拶を述べて、最初の使徒的祝福を送ることになります。

なお、前回2005年に行われたコンクラーベでは、2日目にラッツィンガー枢機卿(当時)が次代の教皇と決まり、教皇ベネディクト16世となりました。

「コンクラーベに向けて洗浄中の、システィーナ礼拝堂」。

【投票結果を知らせる煙とは?】

白い煙と黒い煙投票結果は午前と午後の2回(イタリア時間の正午頃と、午後7時頃)、投票用紙を燃やした煙で皆に知らせることになります。ヨハネ・パウロ1世を選出したコンクラーベから、投票用紙に薬品を加えて、燃えた時の煙の色をはっきりするようにしました。

教皇が決まれば「白い煙」、決まらなければ「黒い煙」。
教皇が決まった場合には、サン・ピエトロ大聖堂の鐘も打ち鳴らされることになっています。

コンクラーベ初日3月12日は午後7時(イタリア時間)前後に、最初の投票結果を知らせる煙が上がるものと見られています。

※ 右の写真の上は「白い煙」、下は「黒い煙」です。薬品を加えても、判別しにくいです。
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【コンクラーベ中、枢機卿方はどこに泊る?】

ドムス・サンクタエ・マルタエとサン・ピエトロ大聖堂のドーム枢機卿方は、バチカンの敷地内にあるゲストハウス「Domus Sanctae Marthae」(ドムス・サンクタエ・マルタエ[聖マルタの家])に泊ることになります。

コンクラーベ中、枢機卿方は携帯やSNSも含めて、外部との接触は一切禁じられていますが、このドムス・サンクタエ・マルタエ周辺は通信妨害処置が取られているそうで、とても厳重です。

スイートルーム106室、シングルルーム22室のこのゲストハウスの様子は、カトリック中央協議会のサイトで写真を見ることができます。
>> ドムス・サンクタエ・マルタエ (聖マルタの家)Domus Sanctae Marthaeの写真

※ 右の写真は、「ドムス・サンクタエ・マルタエとサン・ピエトロ大聖堂のドーム」。 © Vincent de Groot / Wikimedia Commons
  写真をクリックすると拡大表示されます。

追加情報(2013/03/11 0:50)

投票は午前2回、午後2回なのに、煙を出すのは午前午後とも1回だけ。
午前中最初の投票で新教皇が決まっても知らされるまでに時間が開くのかと思っていましたが、そうではないようです。

  • 午前の最初の投票で新教皇が決まった場合は、午前10時~11時半の間に白い煙が上がります。
  • 午前の2回目の投票で新教皇が決まった場合は、正午頃白い煙が上がります。
  • 午前中の2回の投票で決まらない場合は、正午頃黒い煙が上がります。
  • 午後最初の投票で新教皇が決まった場合は、午後5時半~午後6時の間に白い煙が上がります。
  • 午後2回目の投票で新教皇が決まった場合は、午後7時頃に白い煙が上がります。
  • 午後の2回の投票で決まらない場合は、午後7時頃黒い煙が上がります。

煙突から目が離せませんね。


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