聖骸布の特別公開に際してのフランシスコ教皇様からトリノ大司教への書簡


イエスの埋葬今日の午後5時(日本時間2020年4月12日午前0時)から、イタリア・トリノで聖骸布前で特別な祈りの式が執り行われ、その模様がライブ配信される予定になっています(「トリノの聖骸布がライブ配信されます」参照)。これに当たり、フランシスコ教皇様がトリノ大司教に当ててお手紙を出されました。
聖土曜日の黙想の一つとして、お役立て下さい。

ところで、この聖骸布にはこのような逸話があります。
1576年にトリノでペストが大流行した際、「(当時トリノ大司教だった)聖カロロ・ボロメオが聖骸布に祈りたいと願っているが体調が悪い」と聞いたサヴォイ公爵が、自分がフランスで所有している聖骸布をトリノに取り寄せたのでした。それ以来この聖骸布はトリノに保管されています。

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チェザレ・ノシリア大司教(トリノ大司教兼スーザ司教)様

親愛なる兄弟ノシリア大司教様、この聖土曜日に聖骸布礼拝堂で特別な方法で聖骸布への崇敬式を主宰されると知りました。その式は特別な方法で、祈りのうちに参加するすべての人びとにソーシャルメディアを通じて見られるようにするそうですね。

新型コロナウイルスの大流行により厳しい試練にされされている忠実な神の民の要請に応えてこのようにして下さったことに、私は心から感謝致します。私自身もまた、イエスが受難のうちに実現された主の僕の特徴を示す「聖骸布の男」に目を向け、あなたの祈りに一致します。「彼は…多くの痛みを負い、病を知っている。……彼が担ったのは私たちの病、彼が負ったのは私たちの痛みであったのに……彼が刺し貫かれたのは私たちの背きのためであり、彼が打ち砕かれたのは私たちの咎のためであった。…彼の受けた傷によって、私たちはいやされた。」(イザヤ53・3,4,5)

「聖骸布の男」の顔に、病床のたくさんの兄弟姉妹、特に孤独で世話の行き届いていない人びと、戦争や暴力、奴隷労働や迫害の犠牲となっている人びとの顔が重なって見えます。

キリスト者にとして、聖書に照らして、十字架につけられて死に、復活された主イエスのみ姿を、この聖骸布の中に見出します。私たちはイエスに身を委ね、イエスに信頼します。イエスは、信仰・希望・愛をもって、御父がいつもご自分に向かって泣き叫ぶ子供たちに耳を傾け、救いを手を差し伸べてて下さるとの確信をもって、あらゆる困難に立ち向かう力を私たちに与えて下さいます。

親愛なる兄弟ノシリア大司教様、そしてメディアを通して聖骸布前の祈りに参加されるすべての兄弟姉妹の皆さん、キリストの復活の恵みと喜びを体験するために、キリストの受難との親密な一致のうちに、この日々を生きていきましょう。大司教様、トリノ教会、そしてすべての人びと、特に病行や困難にある人びと、そしてそのお世話をされているすべての人びとを祝福致します。主があらゆる平和といつくしみを与えて下さいますように。ご復活おめでとうございます!

2020年4月9日
ローマ、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂にて
兄弟フランシスコより

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トリノの聖骸布がライブ配信されます (2020/04/10)

= 参考記事 =
Holy Father’s Letter to the Archbishop of Turin [Zenit]
Pope expresses gratitude for exposition of the Shroud of Turin [Vatican News]


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