ファティマの幻視者の姪、家族を語る


5月13日に、ファティマでフランシスコ教皇様がフランシスコとジャシンタ・マルトを列聖されました。
それに先立つ4月に、74歳になる彼らの姪ジャシンタ・ペレイロ・マルトが家族について答えたインタビューがありましたので、ご紹介したいと思います。

ジャシンタ・ペレイロ・マルトは、フランシスコの2つ上の兄ジョアン・マルトの娘で、今もファティマに暮らしています。
父のジョアンは高齢の両親とずっと一緒に暮らしていたので、ジャシンタ・ペレイロも、フランシスコやジャシンタと同じ家で生まれ育つという「喜び」を感じていたと語りました。

――フランシスコとジャシンタの両親であるあなたの祖父母マヌエル・マルト(俗にティ・マルトと呼ばれる)とオリンピア・マルトはどのような人でしたか?

マルト夫妻祖父は常々、聖母がファティマに来たいと望まれ、聖母が自分の子供たちを選んだのであって、自分たちは何の価値もないものでしかないと話していました。祖父のこの態度が家族にいきわたっていたので、「神様が選びたい人を選んだだけ」で、家族はいつも慎ましい生活をしていました。

祖父母はいつも、神様とマリア様への大きな愛と、素朴で、信仰に満ちた、宗教的な生活を教えてくれました。

祖父マヌエルは、最初何が起きているか理解はしていませんでしたが、子供たちは本当のことを言っているとずっと信じていました。

最初のご出現から家に帰った時、両親に聖母に会ったことを最初に伝えたのはジャシンタでした。
「子供たちの作り話ではないか」と言われたとき、祖父は「うちの子供たちは嘘つきじゃない。自分が子供たちを教育したんだから、子供たちが見たというのなら見たんだと思う」と言いました。

祖父が子供たちとご出現に最初に立ち会った際、彼には何も見えませんでしたが、「瓶の中で蜂が飛んでいるような音」を聞いたそうです。
太陽の奇跡にも立ち会いました。一度信じたら、最後まで信じる人でした。

祖父母はまったく恵まれていませんでした。子供たちが亡くなった時、子供たちのことは知られてはいましたが、聖人だという名声はありませんでした。
そのため、祖父母は子供たちが他の子とは少し違っているとは思っていたものの、どうなるかは分かっていませんでした。それは毎日の問いかけでした。

――叔母であるジャシンタの名前を貰ったことをどう思っていますか?

フランシスコとジャシンタ祖母オリンピアのお陰で、叔母と同じ名前をもらえたことを嬉しく思っています。祖母は、聖なる娘と同じ名前の孫を欲しがっていたので、嫁であるジョアンの妻に、「女の子が生まれたらジャシンタと名付けたい」と言っていました。
そこで私が生まれると、名付け親となる代母にオリンピアはジャシンタと名付けてほしいと伝えたのです。

ジャシンタという名をもらって、とても嬉しく思っています。叔父や叔母が一緒にいて守ってくれていると強く感じています。フランシスコとジャシンタが守ってくれているのです。
私も他の人と同じく罪を犯します。それでも彼らが守ってくれていると信じています。

――聖母のご出現について、何か聞いていますか?

父ジョアンは8月にヴァリニョスで起きた聖母の出現の際、フランシスコとジャシンタと一緒にいました。
このご出現にはフランシスコ、ジャシンタ、ルシア、そしてジョアンだけが立ち会いました。

聖母が出現されようとしたとき、最初ジャシンタはそこにいませんでした。ルシアがジャシンタを読んでくるように頼んだ時、ジョアンも聖母を見たいと思ったので呼びに行くためにその場を離れるのを嫌がりました。
ジャシンタを呼んで戻ると、聖母が出現されました。彼らと一緒に待っていたにもかかわらず、ジョアンには、目を皿のようにしても、何も見えませんでした。

2ヶ月後の1917年10月13日に「太陽の奇跡」が起こった時、家族の多くの者がその奇跡に立ち会っていたのですが、「奇跡など起こらず、家族は全員殺されるだろう」という噂に、当時まだ11歳だったジョアンは恐くなって家で身を隠していました。

まだ11歳で、何が起きているのかすべては理解できなかったジョアンでしたが、フランシスコとジャシンタが死んだときには「彼らが言ったとおりのことが起きたので、とてもとても泣いた」そうです。

――聖母のご出現について、どう思いますか?

ファティマの聖母私は時々、7歳と9歳の子供だったらどのように神のメッセージを捉えて応えるのか、自分に問うことがあります。彼らはメッセージを受け止め、責任を負いました。
フランシスコにとってすべては「神様を賛美し、崇め、礼拝する」ことでした。
ジャシンタはおもに回心に関心を寄せ、誰もが神に立ち返り、回心して天国に行くことを望んでいました。

ジャシンタはこれを苦しみのうちに生きました。
わずか7歳にも関わらず、戦争、飢饉、迫害の幻視をしたジャシンタは、すべての人が救われるためにすべてを捧げていけにえとなるという責任を負うことを決意しました。私たちはどうでしょう?

テレビやソーシャルメディアがあるので、世界の苦しみや悲劇を知るのに幻視は必要ではありません。しかし、私たちはこの人類の一部であり、すべての人に少しずつその責任があるのです。ときどき私たちはあまりそのことを考えません。

私にとって、ファティマの聖母のメッセージの核心は「神に立ち返るように」ということだと信じています。神が私たちを愛して下さっていることを忘れず、讃美と感謝を捧げなければなりません。

それに加えて「互いに祈り合わなければなりません」。聖母は子供たちに「私はできないことを求めません」とおっしゃいました。

ルシアによれば、聖母はロザリオを指さして、「それは簡単な祈りだから」人びとは教会で、車を運転しながら、歩きながら祈ることができると言われました。

ロザリオを祈ることができないなら、聖母を讃え、神様に「友だちでいて下さる」ことを感謝して、せめて「主の祈り」と「アヴェ・マリアの祈り」を1日1回ずつ唱えてみるのはどうでしょう。

神様は私たちをとても愛しておられます。時に私たちの信仰を新たにして信じ続けるために聖母を送って下さいます。
神様は私たちに毎日少しずつ善い者になっていってほしいのです。私たちはいつも罪びとですので、完璧にはなれないでしょう。それでも毎日少しずつ善い者になろうとすべきなのです。

――列聖についてどう思いますか?

このニュースは、家族にとってだけでなく、「ポルトガルと世界中の人びとのため」のものです。
なぜなら聖母は世界のために来られ、そのメッセージは世界のためのものだからです。

= 参照記事 =
・ Niece of Fatima visionaries reflects on her remarkable family [CNA]

 

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・ ファティマ・ご出現の小聖堂における教皇フランシスコの祈り (2017/05/13)
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= 関連聖品 =
・ 『ファティマの聖母出現 ―ご出現百周年を迎えて』 『ファティマの聖母出現 ―ご出現百周年を迎えて』 [WEBショップ]
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