抜粋・翻訳:尾崎神父様(オプス・デイ)
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(Zenitの記事はこちらです http://www.zenit.org/article-32403?l=english )
[E:clover]司会者:
質問はイラクからで、迫害を受けているバグダッドの若者たちの中からです。こう尋ねています。
[E:clover]質問者:
教皇様、イラクからご挨拶申し上げます。私たちバグダッドのキリスト信者はイエス様と同じく迫害を受けています。教皇様、私たちのキリスト教共同体を助けたいのですが、信者の人々に他の国に移住することが唯一の解決策ではないことをわからせるのにはどうすればよいでしょうか。
[E:clover]教皇様:
まず最初に、私は私たちの兄弟であるイラクのすべてのキリスト信者に心から挨拶を送りたいと思います。また、イラクの信者たちのために毎日祈っていることを申し上げずにはおられません。
彼らは他の場所の兄弟と同じく、苦しんでいる兄弟です。それがために彼らは特別に私の心の近くにいると感じています。彼らの困難な状況を考えると他国に脱出したいというのは、まったく理解できることですが、私たちのできる限り、その誘惑に抵抗するように助けるべきです。
敢えて申しますが、イラクの愛する兄弟たちよ、私たちがあなたがたのそばにいることが必要です。また、あなたがたがこちらに移住して来る場合は、本当の兄弟として暖かく迎え入れることが大切です。言うまでもないことですが、イラクのために何かができる団体や個人は皆、援助の手を差し伸べるべきです。
聖座は絶えずイラクの様々な共同体と接触しています。カトリックの人びとだけでなく、他のキリスト教の共同体とも、またシーア派であろうがスンニ派であろうが関係なくイスラム教徒の共同体とも。
私たちは、和解と相互理解を促進し、また、分裂に苦しむ社会を再構成するという困難な仕事においてイラク政府に協力したいと思っています。というのは、人びとがばらばらになっているという、これこそが問題だからです。
もう「私たちは多様であるが、共通の歴史を持つ一つの民族で、その多様な社会の中で各共同体はそれぞれの場所を持っている」という意識を失っていることです。イラクの人びとはこの意識を再構築する必要があります。
私たちがしたいことは、異なるグループの人びととの間に対話を通じてこの再構築の企てを進めること、また愛するイラクの兄弟たちよ、あなたたちに、希望と忍耐と神への信頼を持ち、この困難なプロセスを進めていくように励ますことです。私たちの祈りに信頼してください。