2000年の降誕節に、主は一人の青年をその母の腕に返されました。
以下はEWTNで紹介された記事の翻訳です。
(原文: Mother recalls son waking from coma as best Christmas gift )
(2012年12月10日 イタリア・ローマ EWTN/CNA)
2000年のクリスマス、若いイタリア人青年マキシミリアノ・トレソルディは、10年間の昏睡から目覚め、母ルクレチアを喜ばせました。
EWTNのインタビューに答えて、ルクレチアは20歳のマキシミリアノ(愛称マックス)が1991年8月15日に自動車事故に遭ってからのことを詳しく語りました。
マックスは医者から「回復の見込みは全くない」と言われていました。
それから9年後の降誕節、2000年12月28日、ルクレチアは入院以来毎晩してきたとおりマックスを寝具でくるむように寝かせました。
憂鬱で哀しい気持ちに押しつぶされ、彼女はマックスの手を取って十字架のしるしをするいつもの日課をすることができませんでした。
「今夜はもう何もできないわ。祈ることも、なにもしたくないの」ルクレチアはマックスに語りかけました。
それでもルクレチアは続けて「十字架のしるしは本当にあなたの救いなのよ」と言ったのです。
その瞬間マックスは母親を元気づける力を頂きました。彼は、自分の力で手を持ち上げると、十字架のしるしをしたのです。それから、母親を抱きしめました。
ルクレチアは、人生最高のクリスマスプレゼントだったと言います。事故に遭って以来、ようやくマックスは感覚と感情を取り戻し始めました。
目覚めたマックスが初めて母親に語ったことは次のようなことでした。「僕は嬉しいよ、お母さんたちと一緒にいられて嬉しいよ」。
そしてルクレチアはこう付け加えました、マックスは「麻痺があってもいつも喜んでいます」。
マックスが、昏睡中に起きた出来事をすべて知っていると言ったことにルクレチアは驚かされました。イタリアの通貨がリラからユーロに変わったことさえ知っていたのです。
ルクレチアは確信しています。障害がある人にも尊厳ある人生を送る権利があり、彼らは生命の源であり、愛され尊重されるべき存在なのだと世界に思い起こさせるという、神のご計画がマックスにあるのだと。
彼女は、マックスが聖母の誕生の祝日である9月8日生まれで、事故が聖母の被昇天の祭日の8月15日に起きたことを指摘します。
ルクレチアは、神が起こされた最初の奇跡は、「彼女が事故が起きたことを受け入れ、息子を神の御手に委ねたこと」だと言います。
事故が起きた日、ルクレチアは聖母に言いました。
「今日8月15日、息子を御手に委ねます。予定日より1カ月早い9月8日に授けて下さった息子です。息子にどのようなご計画をなさっているのかは分かりませんが、息子をあなたの御手に委ねます」
「私に、前向きに、すべてのことを受け入れられる力をどうぞお与え下さい」
ルクレチアは、自分はいつも弱い人間だったが、信仰が家族のきずなになっていたと語っています。
「ですから、このようなひどい悲劇を経験しているすべての家族がこのことで力づけられますように。そして、『恐れないで』と伝わりますように」
ルクレチアは、イタリア人ジャーナリストのルチア・ベッラスピーガ、ピノ・チョチョーラと共著で、マックスについての本を書き、この本は2012年の「ウーマン・イン・ライフ文学賞」を受賞しました。
※ 写真は、マキシミリアノ・トレソルディと両親 © Marta Jiménez Ibáñez, CNA