2016年5月22日、アルゼンチン・ブエノスアイレス州サン・ニコラスのエクトル・カルデッリ司教は、サン・ニコラスのロザリオの聖母大聖堂で巡礼者が熱心に参列したミサの終わりに、その地での聖母出現について公認する旨の宣言をしました。
このご出現は今も続いていますが、司教は1983年から1990年のご出現のメッセージについて、承認を与えたのです。
MiracleHunter.com というウェブサイトを運営する作家兼奇跡調査員のマイケル・オニール氏によれば、ご出現が今日でも続いているにもかかわらず、1983年から1990年のご出現のメッセージを司教が認可したのは特異なことだそうです。
「存命中の幻視者がいるご出現において、その幻視者を司教たちが真正であると認めたのは特異なことです。」
「普通司教は、メッセージが終わるか幻視者が亡くなるまで待ちます。しかしこの出来事については、既に認可を出したのです。」
「このご出現は、他のいくつかのご出現のように人びとをキリストにより近づけるだけという単純なものではありません。そのメッセージには差し迫った警告もあるのです。」
≪目次≫
ご出現の内容
ご出現は、ブエノスアイレス司教区のサン・ニコラス・デ・ロスアロヨス中で行われた家庭でのロザリオの祈りの後に、説明のつかない形で起こりました。
主婦で、母親でもある(2人の娘と、孫1人がいます)グラディス・キローガ・デ・モッタさんは、1983年9月24日、自宅にあったロザリオが光るのを目にし、聖母に祈り始めました。翌9月25日、聖母は幼子イエスを抱き、青い外套とヴェールを身にまとって現れました。聖母の姿は、光に照らされていました。
最初のご出現から1ヶ月後、再び聖母が現れ、グラディスさんに白いロザリオを与え、「私の手からこのロザリオを受け取りなさい。そしてそれをいつまでも持ち続けなさい。あなたは従順ですね。私はそれゆえに嬉しく思います。喜びなさい。神は共におられますから」と言われました。
聖母マリアはグラディスさんに、ある教皇によって祝福されながら、ある教会の中で忘れ去られてしまったご像を探しに行くように頼みました。彼女は1983年11月27日、聖母が指示されたとおりの場所で、そのご像を見つけました。それは司教区の大聖堂の鐘楼にありました。
ご像は幼子イエスを抱いた神の御母の姿でした。それは教皇レオ13世によって祝福されたのち、ローマから運ばれてきたものでした。
それはご出現された聖母のお姿に似ていました。
聖母マリアはご出現の際、数回にわたって、グラティスさんに対し、聖書のいくつかの箇所について言及しました。
しかし彼女は小学4年程度の教育しか受けておらず、聖書や神学の知識は全くありませんでした。
グラディスさんは最初からご出現のメッセージを人に話し、常に教会の権威に委ねていました。彼女は今ではご出現の前より信仰深い生活をし、常に謙遜を保っています。彼女は手首、足、脇腹と肩に聖痕を受けたそうです。
脳腫瘍の子どもの癒しを含む、ご出現に関連する数件の癒しの事例が報告されています。
グラディスさんは聖母からおよそ1800件のメッセージを伝えられており、また主イエズスから68回の訪問とメッセージを受けました。その多くは「平和」、「悔い改め」、「秘跡に戻ること」、そして「人びとをキリストにより近づけること」といった主題に焦点が当てられています。しかしその中には「将来の人類にとって大きな混乱を予告する終末的なテーマ」のメッセージもあるといいます。
聖母研究の専門家であるルネ・ローランタン神父はその著書『アルゼンチンの聖母からの懇願』(未邦訳)の中でこのご出現のメッセージを詳細に説明しています。
ある箇所で、聖母マリアは「多くの心は私の祈りと回心への呼びかけに応えていません。ですから悪魔は力を増し、勢力を広げているのです」と言われました。
警告は人類が進行中の自己破壊へ陥る過程にあり、聖母マリアは希望を表していると告げています。「あなたたちの目と心を神に向けるのはあなたたち次第なのです」と聖母は言われました。
「私は私の子どもたちの、唯物主義というこの病を癒したいのです。その病は多くの人を苦しめています。彼らが神を見出すのを助けたいのです。そしてキリストがすべてのことにおいて勝利しているということを、彼らに知らせたいのです」とご出現の際に聖母マリアは言われました。聖母は祈りの大切さ、特にロザリオの祈りの重要性を強調されました。
主イエスはグラディスさんに告げました。
「もしこの時代の人間が私の母に耳を傾けないなら、滅びるでしょう。私は皆に私の母に耳を傾けるように言います。人類は回心しなければならないのです。」
主イエスは1987年のご出現で言われました。
「今日、私は世界に警告します。なぜなら世界は気づいていないからです。霊魂は危機に瀕しています。多くの霊魂は失われています。」
「私を救い主として受け入れなければ、救いを見出す人はほとんどいないでしょう。私の母は受け入れられなければなりません。私の母の言っていることを、そのメッセージのすべてを聞き入れなければなりません。世界は彼女がキリスト者にもたらす豊かさを見出さなければなりません。」
「罪の子供たちは、その不信仰が増せば、罪の中で育ちます。私は霊的な刷新、死から離れること、そして命につながることを望みます。私が望むことが成就するために、私は私の母の心を選びました。
霊魂はマリアの汚れない御心を介して私のもとにくるでしょう。」
現地司教による公認
エクトル・カルデッリ司教は公認を決定した経緯を説明しました。彼は専門家たちや証言者たちに相談し、そうしたご出現についての申し出を監督し、介入するという自分の義務をよく理解していたのです。
司教は2つの基準に基づいて、この出来事を判断しました。
「肯定的にも否定的にも、そしていずれの場合にも、誤謬がまったくありませんでした」と彼は言いました。
彼はまた特にこの3点の基準「この事象は自然に起きたことなのか? 敵の仕業でありうるのか? そして、これらは超自然的出来事なのか?」を用いて、決定を下したと言っています。
「これらの疑問に対する答えは、その実は真実で、肯定的であり、単なる人間の行いを超えているという確信を私に与えてくれたのです。」
カルデッリ司教の公認宣言の文書は、このご出現が道徳的確信、善き意向、そして希望を伴うものであると認め、教皇庁の提示した識別のための要件を満たしたために出したものだと述べています。彼はその文書で「(公認は)神のますますの栄光と教会の善を求めるものである」と述べています。
司教は文書の中で次のように述べています。
「サン・ニコラスでの司牧十二年目に当たり、私は、当初から知っていたマリア出現の出来事を、信仰と責任をもって見てきました。教区のために私はそれらを認める結論に至りました。」
「父なる神がその愛する娘を通して、御子イエスがその最も聖なる母を通して、聖霊がその愛する浄配を通して、愛をもって、私たちの司教区にご自身を現されたその幸いなる事象は超自然的なものであると認めます。」
文書は「最後に、そして聖母が望まれるとおり、私は司教区全体の名において、聖母が永遠にサン・ニコラス・デ・ロスアヨロスの元后でいて下さいますようにと神に乞い願います」と締めくくられています。
= 参考記事 =
- A Marian apparition has been approved in Argentina – and it’s a big deal [CNA]
- BISHOP’S STATEMENT CONCERNING THE SUPERNATURALITY OF THE MARIAN EVENT IN SAN NICOLAS [MiracleHunter.com]
- Our Lady of the Rosary Apparitions in Argentina Approved [Catholic News & Inspiration]
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