教皇ベネディクト16世の退位宣言を以下に訳出しました。宣言自体は昨日2月10日作成されており、発表が2月11日となったようです。
おそらく明日2月12日には、カトリック中央協議会が正式な訳文を出されると思います。
(原文: Pope Benedict XVI announces his resignation at end of month)
兄弟の皆様、
枢機卿会議を招集致します。これは3名の列聖式のためだけでなく、教会にとって大変重要な決定を伝えるためです。
神のみ前で心配事を繰り返し検討した結果、年を重ねたため私の力はペトロの使徒職を行っていくのにもはや不十分であるとの確信を得ました。
その本質的な霊的本性のゆえに、この使徒職は言葉や行いだけでなく、それと同じくらい、祈りや苦しみによって果たすべきものであると十分承知しています。しかしながら、極めて動きが速く、信仰生活に深く関連する疑問に揺り動かされる問題を抱える今日の世界にあって、聖ペトロの座を治め、福音を宣べ伝えるためには、心と体両方の力が必要です。ここ数カ月私の力は低下してきています。私に任された使命を十分に果たすには不適格であることを理解させずにはおきませんでした。
そのため、この行為が重要であることを十分承知した上で、完全に自主的に、2005年4月19日に枢機卿がたより託された使徒ペトロの後継者であるローマ教区長職(ローマ教皇)を、2013年2月28日20:00(訳注・日本時間2013年3月1日午前4時)に退位することを宣言致します。ローマ教皇・使徒ペトロ座は空位となり、次の教皇を選ぶコンクラーベ(教皇選挙)がその権限を持っているものにより招集されます。
兄弟の皆様、聖職を果たすのを助けて下さった方々の愛と働きに深く感謝致します。また、私の至らない点をお許し下さい。
そしてまた、教会を大祭司、私たちの主イエス・キリストのご保護に委ねます。そして聖母に、新しい教皇を選ぶに当たり、枢機卿がたを母としての心遣いをもって助けて下さいますように、請い願います。
私自身については、ひたむきな祈りの生活を通して、これからの神の教会にこれからも献身的に仕えたいと望んでいます。
2013年2月10日バチカンにて
教皇ベネディクト16世
= 追加情報(2013/02/11 22:25) =
片柳神父様がツイート(ツイッターへの投稿)で、以下の情報を紹介されています。
【教皇ベネディクト16世、退位宣言】バチカンの発表は以下の通り。この退位は教会法332条2項に基づく。現教皇は、新教皇選出のコンクラーベに参加しない。退位後、教皇はカステル・ガンドルフォに移動する。バチカン内の観想修道院の修理が完了した後は、そこで祈りと内省の時を過ごす。
— 片柳弘史さん (@hiroshisj) 2013年2月11日
= 追記(2013/02/11 23:58) =
教皇様退位の日付に誤りがありました。修正してお詫び致します。
誤)日本時間2月29日午前4時 → 正)日本時間3月1日午前4時
※ 本文は修正済みです。
= 関連情報 =
- 教皇様退位宣言のラテン語原文 (バチカン公式サイト)
- ベネディクト16世、教皇職引退を発表 (バチカン放送局[日本語])
- 【速報】教皇、2月末の退任表明 現役引退は約600年ぶり (カトリック新聞オンライン)
- 教皇ベネディクト十六世の辞任表明のことば (カトリック中央協議会)
- 教皇庁広報部ロンバルディ報道官の補足会見 (いつくしみセンター)